おはようございます。
PTA本部役員歴3年、PTAブロガーのいさおです。
今日も書評シリーズです!もうすでに4冊目です。
書評シリーズを書くきっかけと書いてる内容
PTA本部役員を3年経験し、PTA問題の情報を集める中で気になっていたことの一つに、働く母親が増えたことの影響がありました。
PTAって戦後の専業主婦モデルをベースに設計されていることが多いようで、社会問題であるジェンダー平等を考えていくことで、解決のきっかけの参考となる情報を発信できたらと思います。
こんな人に読んでほしい
ジェンダー平等について考えている人やPTA問題の根本を追求したい人に読んでもらいたいですね。
では今日もピーブロ(PTA2.0ブログの略)よろしくお願いします!
男女平等はどこまで進んだかー女性差別撤廃条約から考える 山下泰子・矢澤澄子監修 国際女性の地位協会編
世界共通の男女平等の指針や目標が定められている「女性差別撤廃条約」などの話と、国際比較をしながらの日本の現状・課題が書かれています。一般の方向けよりは、ジェンダー平等を広く理解したい人向けですね。PTAはほぼ関係なし(笑)
女性差別撤廃条約とは…
「女性差別撤廃条約」とは国連が1979年に加盟国の満場一致で採択し「世界女性の憲法」として現在は189カ国が締約している世界のジェンダー平等のルールです。日本は1985年に加盟。同じ年には男女雇用機会均等法が制定されています。阪神がバース・掛布・岡田の3連発で優勝した年ですね。こういうのってもっと昔からあるイメージですが、ぼくたちが子どもの頃にやっと作られたんだってのが意外です。
条約の加盟国には大きく3つの義務が課せられています。
- 女性の権利の「尊重義務」…差別法はNG
- 女性の権利の「保護義務」…差別被害者を救済
- 女性の権利の「充足義務」…権利の実現を確保
さらに、加盟国は4年ごとに国連にレポートを提出する義務が発生します。
日本はこれまでのレポートで男女平等が進まない原因として「社会に根強く残る性別役割分業意識が問題」としているのですが、税や社会保障の面で専業主婦が有利となる制度が残っている部分もあり(配偶者控除・3号被保険者)、また意思決定の場に女性が少ないことから、このような法制度が是正されにくいとも考えられているようです。
日本はこれまでのレポートで男女平等が進まない原因として「社会に根強く残る性別役割分業意識が問題」としているのですが、税や社会保障の面で専業主婦が有利となる制度が残っている部分もあり(配偶者控除・3号被保険者)、また意思決定の場に女性が少ないことから、このような法制度が是正されにくいとも考えられているようです。
政治・経済の状況
政治分野において、女性議員比率は先進国で最低のレベルで、衆議院の女性はたった10.1%(2018年1月)。閣僚の記念写真がオッサンばっかりなのも無理はない。
そもそも女性の候補者が少ないのが問題のようなのですがが、この要因として①女性は家事負担が多い、②「政治は男性のもの」という意識、③家族・地元の支援を受けにくい、といったことが挙げられているようです。
そもそも女性の候補者が少ないのが問題のようなのですがが、この要因として①女性は家事負担が多い、②「政治は男性のもの」という意識、③家族・地元の支援を受けにくい、といったことが挙げられているようです。
海外を見ると、フランスでは法律で男女同数とする決まりがあり(「パリテ」と呼ぶ)、またマクロン大統領が男女同数を掲げて当選したことから、女性議員の比率はG7で一番となったんですね。クオータ制など強制力のある取り組みが政治分野には必要というのが世界の流れのようです。
日本でも取り組みを加速するため、2018年に政治分野の男女共同参画推進法ができています。
PTAでも男女の割合を規約で決めて、クオータ制を導入しても良いかもしれませんね。「各委員は片方の性が1/3以下とならないようにすること」みたいな(笑)
PTAでも男女の割合を規約で決めて、クオータ制を導入しても良いかもしれませんね。「各委員は片方の性が1/3以下とならないようにすること」みたいな(笑)
経済の分野では、1997年、2006年に男女雇用機会均等法が大幅に改正され、差別の禁止やマタハラの禁止などが強化されました。しかし他のいろんな本にも書かれているように、男女間の賃金格差や女性の就業継続率の低さはあまり改善されておらず、また国際社会と比べるとアンペイドワーク(家事・育児・介護など)の負担が女性に偏っている状況なんです。
その後の国際社会の動き
1995年に開催された国連の第4回世界女性会議において「北京行動綱領」が採択され、その後も条約と並ぶ重要なものとしてその理念が大切にされています。
北京行動綱領では「女性のエンパワメント」について重点的に記載されており、ここでいうパワーとは、一人一人の能力という意味や女性の意思決定への参画力を表しており、女性が持つ、人としてパワーを回復することと位置づけられています。女性が権力を持つんだ!ってことでなく本来あるべき姿に戻るって感じがなんとも好きですね。
2015年に国連Womenが北京+20として現在の国際社会を評価。条約により男女平等が進んでいるが、まだまだ停滞・後退している分野もあると指摘。
- 仕事がない
- 賃金・昇格における差別
- アンペイドの家事・育児・介護
- 様々な複合的な差別
- 法律上の不平等
といった項目の取り組みが必要と認識し、その内容はSDGsの5番目の目標「ジェンダー平等」の内容へ反映されていきました。
まとめ
いかがでしたか?
最後に著者の提案として、男女平等とは世界地図で見えるようなものだけでなく、身近なところから考えることが大切であり。まずは「あなたと私」の対話から始めてみよう。多様性の尊重は21世紀の国際社会共通のテーマ。建設的な議論・発見からエンパワメントを実行していこう!と書かれています。
ほんとそのとおりで、夫婦や職場や親子やPTAで、これはなんかおかしいな?と思うことを口に出して考えてみましょう。
では、今回はこのへんで!
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— いさお@組織の中でも自分らしく生きる (@isao67) 2019年6月1日
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