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こんばんは。

PTA本部役員歴3年、PTAブロガーのいさおです。



今日も書評シリーズです!




書評シリーズを書くきっかけと書いてる内容 


PTA本部役員を3年経験し、PTA問題の情報を集める中で気になっていたことの一つに、働く母親が増えたことの影響がありました。

PTAって戦後の専業主婦モデルをベースに設計されていることが多いようで、社会問題であるジェンダー平等を考えていくことで、解決のきっかけの参考となる情報を発信できたらと思います。



こんな人に読んでほしい


ジェンダー平等について考えている人やPTA問題の根本を追求したい人に読んでもらいたいですね。




では今日もピーブロ(PTA2.0ブログの略)よろしくお願いします!




女性の視点で見直す人材育成 中原淳



「働き方改革」や「ダイバーシティ」が叫ばれ、いろんな人が働きやすい社会を作ること重要性は広く知れ渡るようになりました。そしてその社会づくりの一歩目は「女性が働きがいを持って、働き続けられる企業・社会を作ること」なんですね。企業にとっても、女性がイキイキと働き続けることは、これからの少子高齢化による人材不足の時代の有効な戦略となります。


女性が活躍できる職場を「スーパーウーマンのストーリーに共感させる」という方法ではなく、科学的なアプローチで書かれているのがこの本です。そしてこれをベースにいろんな人が女性活躍の対話をするきっかけにしてほしいという筆者の願い。


それではご紹介していきます!



女性と男性では仕事に求めるものが少し違う

女性の活躍ってさまざまな分野があると思いますが、この本の対象は仕事での就業継続や管理職登用。皆さんの身近な女性は、仕事を続けたいと思っていますか?管理職になりたいと思っていますか?女性は仕事に「やりがい」を求める人の割合が高く、男性は「見返り」を求める人の割合が高いんですね。なので女性が活躍する職場づくりには、収入がガンガン上がっていくよりも、やりがいのある仕事を続けられるってことが大切です。


これまでの企業活動は男性を中心に進められてきました。女性活躍を進めていく側の経営者・管理職も現時点では男性が圧倒的に多いです。優秀な女性に「管理職になってもらいたい!」と思った時に、自分のように「給料が上がるよ」って訴えをしてしまうとうまくいかないことがあるんです。そんなことよりしっかりとやりがいのある仕事、自分だからこそできる仕事ができるようになるってことをPRする方がいいんですね。



それから、これまでの女性活躍の取り組みって「ロールモデル」と言われる、目標とする女性を前面に出し、その人のお話とかを聞いてテンションを上げて、女性に頑張ってもらおうとするものが多かった。しかしセミナーの効果は長続きしにくいし、身近にロールモデルがいないと継続できない状況が多かったんです。なので、会社の育成の仕組みを変えていくことがサスティナブルな女性活躍にとっては大事なんです。



キャリアステップごとのアプローチ

この本では、キャリアステップごとに支援を考えることを提唱しています。そして特徴的なのは、「スタッフ→リーダー→マネジャー」と進む中で、間に「ワーママ期」を考えることです。しかもこのワーママ期はどのキャリアステップの時に移行しまた返ってくるかわからないんですよね。なので、ライフイベントで仕事時間に制約ができたとしても、キャリアを積んでいけるように支援をしていく必要があります。


まずスタッフ期では、女性・男性に関わらず、能力や給与に合わせて仕事の割り当てを平等にすることが大事です。最近は、産休・育休が取りやすいということは当たり前になりつつあるので、その先を見据えた打ち手が必要なんですね。それから長時間労働を止めようという取り組みも若手女性の定着には大切なようです。自分のライフスタイルが変わった時にもこの会社でやりがいを持った仕事が続けられる、と感じることで、若手女性はより能力を発揮できるのです。


次にリーダー期です。女性はジレンマやあいまいな状況に置かれることが苦手で、対人関係で悩みやすい傾向にあります。なので、その辺りのフォローアップはもちろんのこと、リーダーになるにあたってのプレビューとして、リーダーではこういうことでつまづきやすいというのをイメージさせておくことも大切なようです。


そしてマネジャー期。管理職になる時に女性は「Why me?」(なぜ私なのですか)を重視する傾向にあります。なので、あなたのココが評価されているとか、こういったところで力を発揮できるということをしっかりと伝えることがポイントです。目立つと妬まれるから…と考える女性も多く、管理職になりたがらない人も多いですが、実際にはやって良かったと感じる人の方が多いので、思い切ってやってみることで違う世界が見えるかもしれません。


女性は左脳的な考え方が苦手でマネジメントに向かないということを女性自身も思う傾向にあるのですが、先天的に女性が苦手なのではなく、社会的に作られた苦手意識からくるもののようです。それから、女性が得意なこととして、協調性などマネジャーに必要なものがあるので、従来の男性的なマネジャー像とは違い、自分の強みを生かした自分らしいマネジャーを目指すのがいいのかなと思います。



ワーママ期の本人・職場の考え方

さて、最後に子育てしながら働く時のことになります。もちろん女性だけが子育てを担うってのがオカシイってことはあるのですが、ここでは仕事と家庭の両立ということで理解すればいいと思います。


子育てしているととにかく時間が足りません。ぼくも時間のやりくりには苦労しています。そこで睡眠を削って穴埋めをしようとする人が多いのですが、これは個人にとっても組織にとっても生産性が上がらず逆効果なんだとか。他人を頼ること・時間を見積もることなどが大切で、職場全体でカバーできる体制づくりが求められます。仕事をきっちり見える化して、負担が多いとすぐに分担できる体制は、本人の申告によるものではなく、職場側がきっちりと用意しないといけませんね。


それから、仕事を与える方も、子育て中だからと簡単な仕事しか与えないのは逆効果です。子育て中でもやりがいのある仕事ができることって当事者からはとても重要なんです。やりがいがあるけど、時間の制約はみんなでカバーできるってことが理想です。これは家庭においてもそうで、職場環境とともに、夫婦で家事・育児負担を分業できる関係があることはワーママ期を乗り越える重要な要素です。



まとめ

いかがでしたでしょうか?


女性が読む本というよりは、企業の人事担当者やこれから女性が増えていく組織のマネジャー層が読むと良い本だと思います。


トーマツが監修にしており、とても読みやすいので1時間ぐらいの流し読みで、一通りの知識を身につけることができる一冊ですね。


では、今回はこのへんで!



▼今回紹介した本





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